2009年

2月東京郊外

京都からの友人に東京郊外のトウキョウサンショウウオの棲息地の案内をする。青梅から横沢入まで何箇所か入ってみるが、水量も少なく、まだ卵嚢も少なめである。成体の姿も1匹チラと見ただけで、これからという感じ。

2箇所で各1個体づつの食いちぎられた死体を発見する。
アライグマの食痕と思われるが、何故にこんなに無駄な食い方をするのだろう?普通は栄養価の高い胴体を食べそうだが、だいたい頭と尻尾が喰われて(?)いる。

 


3月 和歌山

和歌山へホンオオダイを観に行く。
オオダイガハラは紀伊半島、四国、九州と生息しているが、四国の個体をH.hiroseiとし紀伊の個体群をH.boulengeri、九州の個体はどうなっかな〜?状態な中、私は四国の個体しか見た事が無いので紀伊は和歌山へと出向いてみる。四国の個体群とは卵の形や水依存度、幼生の形態、繁殖期等にも違いがみられるようだ。ぜひ成体、幼生、卵と3ステージを確認したいが今回は惨敗。とにかく紀伊は山深い!!アナグマ、タヌキ、シカ、カモシカと哺乳類のオンパレードでのお出迎えである。昨年は通行止めで即撤収を余儀なくされたが、今回は一応棲息地までは行けたので良しとしよう。1泊2日では、ろくにポイントを調べる事が出来ない険しさだ。四国オオダイみたく簡単に見れるもんじゃないが、幼生だけは確認できた。
紀の国は非常に山深い。棲息地源流に着くまでには大きな滝をいくつもまいて行かなくてはならない。
ちなみに私は高所恐怖症である。5−6m程の滝だが、ほぼ垂直に切り立ち、昇る足場が無い!
1度は諦めたが横V字に登り、匍匐前進し、背中を地面に付けたまま滑り降りる等、大変でした。
信長が雑賀衆を攻めあぐねた理由がよく分かるよ・・。

4月 釧路

待望のGWである。
日本に棲息する唯一のサラマンダー「キタサンショウウオ」を見に釧路へ向かった。前もって人工池を含む2箇所の産卵場所を知っていたので鶴居の棲息地を見て(人工池は参考にならないのでパス、温根内も手を入れてるようだが))、何となく理解できた棲息環境をベースに探し回った。結果として釧路湿原南部で見つける事が出来たが、まず湿地に水溜りを見つけても下がぬかるんで近づく事が出来ない!かといって乾燥したヨシ原野の水場では非繁殖期の棲息環境としては合わないようで産卵している場所が無かった。湿原南部(湿原保護区外)では農耕地への変換が行われていて、わずかに残った良好な湿地に依存して棲息しているようだった。南部の湿地は保護区外という事でかなり開発され、保護動物のキタサンショウウオが発見されても、先述した人工池にとりあえず放り込んでおけばOK。という凄い状態だったようだ。南部で見つけた卵は7対。成体10匹程。こんなんで大丈夫かよ?とかなり心配な状況に感じた。

余談だが1つ釧路市街について言いたい。私は夜に書物を読まないと寝つきが悪いタチで釧路市街でも本屋を探したが、1件は「本」とおもいっきり看板のある、よくある地方型の大型店に見えたが、アダルト専門だった。もう1件も壁に本、DVDと書いてある大型店を見つけたが入るとスーパーだった。居抜きで商売を始めるのはいいけど、せめて以前の店の看板は取ろうよ〜。
鶴居で見つけた卵。反射角度によって淡く光る。湿原のサファイア。
保護対象なので手にとってカウントは出来ないが、卵は小径でかなり多く含まれている。
ここでの水温は16度。初春の北海道にしては、かなり高く感じた。この日の温度は特別暖かく、20度前後あった。湧水だが水溜りのような水域なので外気温の影響をかなり受けるのではないだろうか?
他の♂が近づいて落ち着かない♂ 占有ポジションの下に他の♂
側にはカエルと忙しい
尻尾を振って♀を呼ぶ♂。釧路市にて。
1時間半程、夜間観察を行ったが♀を呼んでるのに結構♂が近づいて来て、追い払ったりするのが忙しかったり、エゾアカにぶつかられて、やむなく逃げ出したりと面白い。夜間観察をする前に、山田悠介の「親指さがし」を読んでしまって、最初は「しまった・・1人で暗闇が恐いじゃないか!」と思ったが、20時を過ぎたあたりからポコポコとキタとエゾアカが這い出してきて夢中になってしまった。夜間観察は都合2日行ったが、初日はいきなりカメラがぶっ壊れてしまい、翌日現地でカメラを買うハメに・・。ヤバイ、預金額が家庭ある主のものでは無いぞ・・(汗)。

5月 富山、新潟、長野

 

財政難にもかかわらず富山、新潟へ出かける。

計画では新潟には行く予定でいたが、昨年富山でカメラを紛失し、ハクバサンショウウオの画像も無くしたので、ついでに富山も寄って再度撮影してから新潟へ行こうと決めた。

成体♂と卵嚢

富山は昨年より2週間程時期が遅い為、ハクバの産卵は終わりのようで成体は残留♂のみ確認。


標高的にサンショウウオの繁殖ピーク時期は過ぎており、カエル達の繁殖期に入っている。
モリアオはクロサンショウウオの卵の横に数匹潜んでいた。ヒキガエルはハクバの産卵場にメチャクチャ産卵していた。

長野

18歳の時、取りたて免許で友人達と新潟へ遊びに行き、海へ山へと真っ黒になるまで遊んだ楽しかった思い出。その時もハコネサンショウウオを観察しに行き、嫌な顔1つしない友人達は今でも大切な友人である。近年、あらためてその場所へ行って真剣に捜索したいと思いつつ、はや何年?やっと行く機会を作ったものの・・土砂降りである。なおかつ飛ばされそうな暴風に車のボンネットしか見えない濃霧である。傾斜のある砂利林道は川にしか見えない・・。現地の間近で「やめた!無理だこりゃ」。しかしせっかく来たので県を越え、天候がマシだった長野側で新規棲息地の開拓をする。結果あっさり見つかり暫し観察。

倒木の下に沢が流れる。しかし30cm程瓦礫と落ち葉を掘らないと水は見えない。 左の枝沢で見つけたハコネの亜成体。大型成体も見つけたが撮影間際に逃走。さすが長年生きてきただけはある。幼生は多数出てきた。

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